股関節の痛み、我慢せず専門医に相談を

変形性股関節症とは？

最初は、足の付け根(鼠径部)が痛かったり、立ち上がったり、歩くと違和感を感じます。症状が進行すると日中だけではなく寝ている時にも、痛みを訴えることがあります。その場合、股関節の受け皿である臼蓋が不完全であることが多く見受けられます。臼蓋の形が変形していることで、かかる体重に対してうまく分散できずにストレス(荷重)が集中し易くなるため、クッションの役割をもつ軟骨がすり減ります。
また、加齢による体重の増加や筋力の低下により股関節への負担が増し、痛みが発生することもあります。

人工股関節全置換術(THA)とは？

傷んだ股関節の臼蓋と大腿骨骨頭を取り除き、代わりに臼蓋側には金属製のカップとポリエチレンライナーを、大腿骨側にはチタン合金などの金属でできたステムと、セラミック製のヘッドを取り付けます。
現在のインプラントは従来のものに比べて改良が進んでおり、耐用年数は高く、ライナーとヘッド間の摩耗にも強くなっています。

前方アプローチ(DAA)とは？

従来の後方アプローチとは違い、股関節の前方から侵入するので、筋肉を切ることなくオペが可能です。筋肉を切らないことで術後の痛みが少なく、歩行能力などの改善が見込まれます。
また、人工股関節全置換術の合併症の一つである脱臼を低減させる、早期にリハビリが行え、社会復帰ができるなどのメリットがあります。更に当院では専用の牽引台を使用したAMIS手技(最小侵襲前方手術)を採用しております。AMISはライセンスを持った医師のみが行える特殊な手技で世界的にも認められた方法です。当院でもライセンスを持つ医師が適切に手術を行わせていただきます。

森島先生からのメッセージ

膝・股関節などの関節疾患に対する治療をおもに担当しています。これまで東京大学医学部付属病院やさいたま赤十字病院、都立墨東病院などで外傷外科、脊椎外科、人工関節手術に携わってきました。

「足が痛いのは年のせいで仕方ない」と痛みをあきらめていませんか？
近年、インプラントや手術手技などの進歩には目覚ましいものがあり、なかでも人工関節手術は整形外科手術のなかで最も成功した治療のひとつとして確立されています。自身がこれまで培ってきたものが、患者さんが「痛みのない脚で生き生きとした人生を送る」その一助になればと、日々の診療を行っています。お困りのことがあれば何でもお気軽にご相談ください。

福寿会病院 整形外科 森島 拓